いかりそう (碇草) 

学名  Epimedium grandiflorum var. thunbergianum
日本名  イカリソウ
科名(日本名)  メギ科
  日本語別名  
漢名  淫羊藿(インヨウカク,yínyánghuò)
科名(漢名)  小蘗(ショウハク,xiăobò)科 
  漢語別名  大花淫羊藿、三枝九葉草、千兩金
英名  Barrenwort
2009/04/20 福島市飯坂 (栽培) 

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2007/04/12 清瀬市中里 (北向き斜面の落葉樹林下に自生)

(白花品)  2006/05/04 桧原都民の森   (自生)
2007/03/29 野川公園自然観察園
2006/04/06 小石川植物園

2008/04/05 明治薬科大学薬草園

 イカリソウ属 Epimedium(淫羊藿 yínyánghuò 屬)には、ユーラシア・北アフリカの温帯・暖帯に約20種がある。

  E. acumitana (尖葉淫羊藿・粗葉淫羊藿) 『中国本草図録』Ⅶ/3110
  E. brevicornum (淫羊藿・心葉淫羊藿・短角淫羊藿)
 『中国本草図録』Ⅳ/1631
  E. cauminatum(尖葉淫羊藿)
『中薬志Ⅲ』p.188
  クモイイカリソウ E. coelestre
  E. davidii(寶興淫羊藿)
 『中国本草図録』Ⅶ/3111
  バイカイカリソウ E. diphyllum
  E. elongatum(長柄淫羊藿・川西淫羊藿)
  E. grandiflorum(E.macranthum)
    ヤチマタイカリソウ var. grandiflorum(淫羊藿・大花淫羊藿・三枝九葉草)
        
白色花
    イカリソウ var. thunbergianum
    ヒゴイカリソウ var. higoense
  E. hunanense(湖南淫羊藿)
  キバナイカリソウ E. koreanum(E.koreanum;東北淫羊藿・朝鮮淫羊藿)
        
『中国本草図録』Ⅲ/1131
  E. leptorrhizum(黔嶺淫羊藿)
兩湖・四川・貴州産
  E. pubescens(柔毛淫羊藿・長葉淫羊藿)
 『中国本草図録』Ⅶ/3112
  ホザキノイカリソウ E. sagittatum(E.sinense;三枝九葉草・箭葉淫羊藿・
        淫羊藿・羊合葉) 
  E. sempervirens
    トキワイカリソウ var. sempervirens 
白色花
    オオイカリソウ var. rugosum 
紅紫色花
  オオバイカリソウ E. setosum 
  E. wushanense(巫山淫羊藿)
    
 メギ科 Berberidaceae(小蘗 xiăobò 科)については、メギ科を見よ。
 和名は、花の形から。
 『本草和名』淫羊藿に、「和名宇无岐奈、一名也末止利久佐」と。
 『倭名類聚抄』仙霊毘草に、「和名宇無木奈、一云夜末止里久佐」と。
 『大和本草』淫羊藿に、「碇草ト云」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』に、「イカリサウ クモキリサウ
江戸花家 カリガネサウ加州 カナビキサウ豫州 テンドリバナ城州大悲山 サンシクヤウサウ」と。
 岩崎灌園『本草圖譜』(1828)に「淫羊藿(インヤウクワク)」と。
 漢名の淫羊藿は、この草を食うと羊が発情するということから。
 李時珍『本草綱目』
(ca.1596)淫羊藿の釈名に、「之を服すれば、人をして好んで陰陽を為さしむ。四川北部に淫羊有り。一日百遍合す。蓋し此の藿を食して致す所なり。故に淫羊藿と名づく」と。
 日本の、北海道(南部)・本州(近畿地方以東の太平洋岸)・九州に分布する。埼玉県では準絶滅危惧(NT)。
 種としては、遼寧・吉林・黑龍江・陝甘・山東・江蘇・江西・湖南・廣西・貴州・四川にも分布。
 中国では、同属の植物のうち次のものの全草を淫羊藿(インヨウカク,yínyánghuò)と呼び、その根を淫羊藿根と呼び、薬用にする(〇印は正品)。『中薬志Ⅲ』pp.181-188、『全國中草藥匯編』上 pp.729-730  『(修訂) 中葯志』IV/634-644

   E. acumitana (尖葉淫羊藿・粗葉淫羊藿)
  〇E. brevicornum (淫羊藿・心葉淫羊藿・短角淫羊藿)
   E. davidii(寶興淫羊藿)
   E. elongatum(長柄淫羊藿・川西淫羊藿)
   E. hunanense(湖南淫羊藿)
  〇キバナイカリソウ E. koreanum(E.koreanum;東北淫羊藿・朝鮮淫羊藿)
   E. leptorrhizum(黔嶺淫羊藿)
   E. pubescens(柔毛淫羊藿・長葉淫羊藿)
  〇ホザキノイカリソウ E. sagittatum(E.sinense;三枝九葉草・箭葉淫羊藿)

 日本では、生薬インヨウカク(淫羊藿)は キバナイカリソウ、イカリソウ、Epimedium pubescens、Epimedium brevicornum、Epimedium wushanense、ホザキイカリソウ又はトキワイカリソウ の地上部である(第十八改正日本薬局方)。 
 同属の植物の全草は強壮剤。イカリソウ・クコマタタビなど30種以上を長期間酒に漬け込んだ「強根酒(qiănggēnjiŭ)」は、有名な強精酒。

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